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What flowers will bloom on the sofa? / ソファにはどんな花が咲くだろう。

2021.12.05 Sunday

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    Hello, this is Azusa Jin from aemono project.

    Today, I'd like to report on the product development of the sofa, which took over five years.

     

    こんにちは。aemono projectの神 梓です。

    今日は5年越しのソファの商品開発についてご報告します。

     

     

    At the end of 2016, I asked Mr. Nishizawa of Ryue Nishizawa Architects to develop an original sofa with me.

    Five years have passed in the blink of an eye since I asked him to develop an original sofa with me... 

     

    2016年の年末に西沢立衛建築設計事務所の西沢さんに、オリジナルのソファを共に開発していただきたい。

    とお声がけしてから、あっという間に5年も経ってしまいました...(汗)

     

     

     

    We've been throwing out various ideas to each other, and have been experimenting with materials such as aluminum, laminated plywood of cypress, and thatch.

    At last, we seem to have landed on a realistic and dreamy idea.
     

    これまで色々な案を互いに出しあい、アルミ・ヒノキの積層合板・茅葺などを素材として試行錯誤してきましたが、

    ここにきてやっと、リアリティがあり夢のある案で着地できそうです。

     

     

    The idea was to develop an original embroidered upholstery fabric that would bring joy to the place where it is used.

     

    それは、オリジナルの刺繍を施したソファ張地を開発するという案。

    使うその場に歓びが生まれるような。

     

     

     

    He brought the lace from the backyard and stretched it over the sofa he usually uses.
     

    打ち合わせの最中、

    バックヤードからレースを持ってきた彼はふだん使っているソファにピーンと張りました。

     

     

     

     

    What kind of scenery will it be?
     

    どんな景色になるでしょう。

     

     

    In order to proceed with the embroidery project, we selected 20 pieces of upholstery fabric based on the condition that the fabric should be a densely woven fabric without any patterns.

    With the cooperation of the embroidery factory, we verified that the embroidery needle could pass through the fabric.

     

    具体的に進めるために、

    後日「模様等のない緻密な織りの生地」という条件で椅子張り生地を15枚選定し、

    刺繍の針が通るかの検証を刺繍工場のご協力の元に行いました。

     

     

     

    From the seven pieces of fabric that passed the needle prick test, he chose two pieces that he said, "Out of these choices..." I chose two of them.

     

    針刺しテストをクリアした7枚から彼が「この選択肢の中では...」と選んだ2枚は、

     

    Left: Metaphor/maharam 100% polyester

    Right: Petra/maharam 70% wool, 19% linen, 11% nylon

     

    左:Metaphor/maharam ポリエステル100%

    右:Petra/maharam ウール70%リネン19%ナイロン11%

     

     

     

    What kind of pattern will it be embroidered with?

    The fabric shown in the office before is "Lucknow Embroidery".

    This fabric is characterized by the crossed threads on the reverse side to create a three-dimensional pattern when seen through the fabric.

    It is said that Muslim women stitch by hand, stitch by stitch, in the Lucknow region of India.

     

    Do they stitch while praying or chatting?
     

     

    どんな柄の刺繍になるでしょう。

    以前、事務所で見せていただいたこちらの生地は「ラクナウ刺繍」

    透けた時に立体的に見えるよう裏側で糸をクロスさせて柄を作っているのが特徴のこの布は

    インド・ラクナウ地方でイスラムの女性たちがひと針ひと針、手で刺しているそうです。

     

    祈りながら刺すのでしょうか、お喋りしながら刺すのでしょうか。

     

     

     

    How about embroidering the motifs on the sofa with plants that grow in the place where the building is built?

    You may not find any gorgeous flowers, but only weeds.

    The embroidery of Lucknow may have been done with the love of the flowers that grew there, and sewn into the fabric.

    It may have become a style.

    I'm really looking forward to seeing what kind of flowers will bloom on my sofa in the future!

     

     

    刺繍のモチーフは、

    建築の建つその場に生えている植物とするのはどうでしょう。

    華やかな花は見当たらず雑草ばかりかもしれないけれど。

     

    ラクナウ刺繍もその土地に生えていた花を愛で生地に縫い込んで、

    それが様式化していったのではないでしょうか。

     

    これから、ソファにどんな花が咲くのか本当に楽しみです!

     

     

    茅葺のあるオフィスが完成しました。

    2021.07.20 Tuesday

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      こんにちは。aemono projectの神 梓です。

      週末、横浜のITオフィスに茅葺を取付ました。

       

       

       

       

       

       

      広島で下拵えをした茅葺パネルを

       

      現場で仕上げ

       

       

       

      トントン整え、

       

      チョキチョキ整え、

       

      ひっぱって整え、

       

      またチョキチョキ、

       

      犬の毛を刈るように、優しく丁寧に何度も調整を重ねて完成。

       

       

      (たくさんたたいて薄くなっている道具...!)

       

      手伝いにいらしてくださった日本茅葺き文化協会の上野弥智代さんから伺うお話も興味深い....。

       

      オフィスで忙しく働く方々にとって、ふとした時に目に入り、

      ホッと和んでいただける存在になれたら嬉しいです。

       

       

      オフィスプランニング: インターアーム 有吉貴志

      デザイン:向坂建築設計事務所 向坂穣

      CG:井戸原滋

      茅葺:Earth Building 沖元太一

      下地 :  イノウエインダストリィズ 今村祐介

      製作管理:SOLO 神  梓

       

       

      茅の産地を考える。オフィス用茅葺パネル開発。

      2021.07.06 Tuesday

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        こんにちは。aemono project  神 梓です。

        先週、オフィス用茅葺パネルの開発検証をしました。

        広島県にある株式会社Earth Building 沖元太一さんの作業場へ。

         

        茅が産地・部位別に保管されています。

         

        いま在庫として置かれていたのは、熊本県や長野県、宮城県の茅屋さんから購入したもの。

         

        「茅がないと、仕事にならないからね!」と沖元さん。

         

         

        今回の検証には、CGクリエイターの井戸原滋さんも参加しました。企業様への提案時に茅葺のCGを作成しています。

         

        「作りを理解していないと、良いCGは描けないからね!」と。

         

         

        茅を吟味しているのは、インターアームリミテッドの有吉貴志さん。オフィス専門のプランナーです。

        企業の社会貢献、これからの新しいオフィスについて深く考え計画を進めています。

         

        今回の仕事は「オフィスに茅葺を!?」と有吉さんがひらめいた事が、きっかけでスタートしました。

        当初、企業様と有吉さんで作ったコンセプトは「石巻産の茅を使う事で少しでも地元に貢献できたら」というもの。

         

         

        そのため先行して、石巻産の茅で小さな試作を作り実際のオフィスで見え方を検証しました。

         

         

        石巻産の茅も魅力的だけれど、

        「インテリアとして近い距離から見えるので、少しでも緻密に葺けそうな別産地の茅がいいのでは?」とは、

        向坂建築設計事務所の向坂穣さん。オフィス全体の空間設計を担当しています。

         

         

        左から、長野県伊那産・熊本県阿蘇産・宮城県石巻産。

        採れた時期によって一概には言えないのですが、今回見たものでは....

        石巻産は太く力強く、阿蘇と伊那産は繊細な印象。

         

        カットする部位によっても、太さや曲がりが違うので、一概にOO産だから繊細に緻密に葺ける。

        とは言えないものの... 

         

        外の見かけから内部までを想像して、ホンネの話し合いをして方針を決めました。

         

         

         

        この道具で茅の束をスパっとカットすると綺麗な断面があらわれます。

         

        下地に茅を固定するための部材です。

         

         

        先の長いインパクトで針金付きのビスを固定して、

         

        丸棒に針金を巻きつけて固定します

         

         

        茅葺傾斜をつけて

         

        (茅葺唯一の電動工具!)で刈り上げをします。

         

        茅葺の醍醐味である「刈り上げ」部分を直線的に仕上げるか、曲面に仕上げるか。

        悩む向坂さん。

         

         

        オフィス施工ならではの粉塵・虫対策も考えた上で、

        来週末には横浜のオフィスでの本番施工。たのしみです。